しも夫の夢〜理想の土地との出会い②
どーも、しも夫です。
前回、格安で土地を購入したと書きました。
羨ましいとお思いでしょうが、このような土地の買い方は一般の方には正直
おススメできません!!
勘の鋭い方は、
「仲介者のミ◯ワホームはハウスメーカーだし、なんで建売もしくは建築条件付で売らなかったの?」
と考えるんじゃないでしょうか?
実はこの土地…
それができない(やりにくい)土地だったのです。
それはなぜでしょう…
ハウスメーカーは特定の規格の中で品質・価格を維持した住宅を提供しています。
そのため、こだわりのある家や特殊条件のある土地などでは規格から外れるため、彼らのビジネスモデルとして成り立ちにくいのです。
また、施主の要望を聞いて間取りを書く人は営業マンです。大抵の場合は大学を卒業してすぐ営業職に就いた「設計者」ではない人。そのため、一級もしくは二級建築士を取るような人に比べて「柔軟な設計」ができないことが多いのです。
ハウスメーカー側もそこは割り切ってビジネスとしているのです。
そのため、私たちが購入した土地は、
「ハウスメーカーが購入したはいいが、ビジネスとして成り立たない匙を投げた土地」
だったのです。
具体的にはこんな土地です。
では具体的にハウスメーカーが何を嫌ったのでしょう?
①擁壁がある。
擁壁があることで擁壁の解体費用がかかります。建物を建てる前に数十万かかる…消費者は普通嫌がりますよね。
②土地が道路より2mほど高くなっている。
道路から住宅にアクセスするために階段が必要になってしまいます。
また、北海道の地方都市は駐車スペースが必要です。そのために、道路と同じ高さまで土を掘って捨てるお金がかかってしまいます。
③敷地内に給水、汚水、雨水管がない
この土地は建築実績のない雑種地だったため、水道管の引き込むための工事費や補償金がかかります。
また、困ったことに前面道路はロードヒーティングが入っていたため、引き込みを行う際に、ロードヒーティングを一部壊して、復旧するお金がかかってしまいます。
④私道に隣接している。
土地の西側と北側には個人が管理している私道があります。上手く使わせてもらえれば建設コストを抑えるチャンスはありますが、他人の土地を利用するため、負担金が必要になる可能性があります。
また、個人管理のため、いつどうなるかわからないという不安があります。
(実際に私道を日常利用させてもらえるか管理者に相談したところあっさり断られました…)
そんな特殊条件が多く、余計な工事費がかかる土地ですが、余りある魅力を感じました。
①道路より高いため、静かでプライバシーが確保出来る。
車の走る音が擁壁で遮断されるため、道路に面しているのに車の音が気になりません。
加えて、歩道からの視線も擁壁でカットされるので道路からのプライバシーが確保しやすいです。
②土地から南側に向かって下ってるので見晴らしが良い
道路が土地より下がってことに加えて、その奥は崖となっており、立っている住宅も一階分低いため、見晴らしが良いです。遠くに緑地があるのですが、茂った樹々も見えます。
③北、西が畑
東側以外に建物がないため、地下鉄徒歩圏内の住宅地にもかかわらず広々としています。
畑も、擁壁や私道により建築するためのハードルが高いため、将来建物が建つ可能性も低いので、この環境が維持できます。
このようなデメリットとメリットの天秤をかけて判断して、建物のイメージができたため購入に至りました。
さすが一級建築士です(笑)
特に、住宅仲介サイト等で傾斜地や旗竿敷地*1などが安く出ていることが多いですが、立地やお金だけで判断せず、土地のメリットとデメリットを天秤にかけて購入することをオススメします。
(設計者ではこの敷地を見ることをデザインサーヴェイと言います。)
そうすればきっと「面白い家」を建てることが出来るでしょう。
※建築士tips
建築の設計をしている人は時々「面白い!」と口にします。別に笑えないのに…
コレは癖みたいなもんで、非常に興味深いことでワクワクすることを「面白い」と表現しています。もし、設計事務所に住宅設計をお願いしている方で、良い提案が出てきたら
「コレは面白い!」
と言ってあげたら上機嫌になるかもしれません…
セキニンハモテマセヌガ( ´Д`)y━・~~
*1:旗竿敷地:道路と接する部分の敷地が細長く、敷地が旗竿形状の敷地。一般的に奥まっているため、通風が悪く、除雪等がしにくいと言われる。